実用新案法
(定義)
2 この法律で「登録実用新案」とは、実用新案登録を受けている考案をいう。
3 この法律で考案について「実施」とは、考案に係る物品を製造し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為をいう。
(手続の補正)
第二条の二 実用新案登録出願、請求その他実用新案登録に関する手続(以下単に「手続」という。)をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、経済産業省令で定める期間を経過した後は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲、図面若しくは要約書又は第八条第四項若しくは第十一条第一項において準用する特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第四十三条第一項(第十一条第一項において準用する同法第四十三条の二第二項(第十一条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書面について補正をすることができない。
2 前項本文の規定により明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をするときは、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
4 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
5 手続の補正(登録料及び手数料の納付を除く。)をするには、手続補正書を提出しなければならない。
(手続の却下)
(法人でない社団等の手続をする能力)
二 審判を請求すること。
三 審判の確定審決に対する再審を請求すること。
2 法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において審判の確定審決に対する再審を請求されることができる。
第二章 実用新案登録及び実用新案登録出願
(実用新案登録の要件)
一 実用新案登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた考案
二 実用新案登録出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた考案
三 実用新案登録出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された考案又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた考案
2 実用新案登録出願前にその考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる考案に基いてきわめて容易に考案をすることができたときは、その考案については、同項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない。
第三条の二 実用新案登録出願に係る考案が当該実用新案登録出願の日前の他の実用新案登録出願又は特許出願であつて当該実用新案登録出願後に第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行又は特許法第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報の発行若しくは出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(同法第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案又は発明(その考案又は発明をした者が当該実用新案登録出願に係る考案の考案者と同一の者である場合におけるその考案又は発明を除く。)と同一であるときは、その考案については、前条第一項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない。ただし、当該実用新案登録出願の時にその出願人と当該他の実用新案登録出願又は特許出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
(仮通常実施権)
2 前項の規定による仮通常実施権に係る実用新案登録出願について実用新案権の設定の登録があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、その実用新案権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、通常実施権が許諾されたものとみなす。
(実用新案登録出願)
2 願書には、明細書、実用新案登録請求の範囲、図面及び要約書を添付しなければならない。
3 前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 考案の名称
二 図面の簡単な説明
三 考案の詳細な説明
4 前項第三号の考案の詳細な説明は、経済産業省令で定めるところにより、その考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に、記載しなければならない。
5 第二項の実用新案登録請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに実用新案登録出願人が実用新案登録を受けようとする考案を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。この場合において、一の請求項に係る考案と他の請求項に係る考案とが同一である記載となることを妨げない。
6 第二項の実用新案登録請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 実用新案登録を受けようとする考案が考案の詳細な説明に記載したものであること。
二 実用新案登録を受けようとする考案が明確であること。
三 請求項ごとの記載が簡潔であること。
四 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。
7 第二項の要約書には、明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載した考案の概要その他経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
(補正命令)
一 その実用新案登録出願に係る考案が物品の形状、構造又は組合せに係るものでないとき。
四 その実用新案登録出願の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき。
(先願)
2 同一の考案について同日に二以上の実用新案登録出願があつたときは、いずれも、その考案について実用新案登録を受けることができない。
3 実用新案登録出願に係る考案と特許出願に係る発明とが同一である場合において、その実用新案登録出願及び特許出願が異なつた日にされたものであるときは、実用新案登録出願人は、特許出願人より先に出願をした場合にのみその考案について実用新案登録を受けることができる。
4 実用新案登録出願又は特許出願が放棄され、取り下げられ、又は却下されたときは、その実用新案登録出願又は特許出願は、前三項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。
(実用新案登録出願等に基づく優先権主張)
第八条 実用新案登録を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その実用新案登録出願に係る考案について、その者が実用新案登録又は特許を受ける権利を有する実用新案登録出願又は特許出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案に基づいて優先権を主張することができる。ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その実用新案登録出願の際に、その承諾を得ている場合に限る。
一 その実用新案登録出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その実用新案登録出願を先の出願の日から一年以内にすることができなかつたことについて正当な理由がある場合であつて、かつ、その実用新案登録出願が経済産業省令で定める期間内にされたものである場合を除く。)
三 先の出願が、その実用新案登録出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
四 先の出願について、その実用新案登録出願の際に、査定又は審決が確定している場合
2 前項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願に係る考案のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(当該先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案(当該先の出願が前項若しくは同法第四十一条第一項の規定による優先権の主張又は同法第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項(これらの規定を第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された考案を除く。)についての第三条の、第三の二条の本文、前条第一項から第三項まで、第十一条第一項において準用する同法第三十条第一項及び第二項、第十七条の、第二十六条のにおいて準用する同法第六十九条第二項第二号、同法第七十九条の、同法第八十一条の及び同法第八十二条第一項並びに同法第三十九条第三項及び第四項並びに第七十二条の、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第二十六条の、第三十一条第二項及び第三十二条第二項並びに商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第二十九条の並びに第三十三の二条第三項及び第三十三の三条第三項(これらの規定を同法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当該実用新案登録出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。
3 第一項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面に記載された考案のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面(当該先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案(当該先の出願が第一項若しくは同法第四十一条第一項の規定による優先権の主張又は同法第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項(これらの規定を第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された考案を除く。)については、当該実用新案登録出願について実用新案掲載公報の発行がされた時に当該先の出願について実用新案掲載公報の発行又は出願公開がされたものとみなして、第三の二条の本文又は同法第二十九の二条の本文の規定を適用する。
4 第一項の規定による優先権を主張しようとする者は、その旨及び先の出願の表示を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。
(先の出願の取下げ等)
2 前条第一項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願の出願人は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した後は、その主張を取り下げることができない。
3 前条第一項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願が先の出願の日から経済産業省令で定める期間内に取り下げられたときは、同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなす。
(出願の変更)
5 第一項又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、その特許出願又は意匠登録出願は、取り下げたものとみなす。
9 特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、第一項の規定による出願の変更をすることができる。
10 第八項の規定は、第二項の規定による出願の変更の場合に準用する。
第三章 実用新案技術評価
(実用新案技術評価の請求)
2 前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
4 特許庁長官は、第一項の規定による請求があつたときは、審査官にその請求に係る実用新案技術評価の報告書(以下「実用新案技術評価書」という。)を作成させなければならない。
6 第一項の規定による請求は、取り下げることができない。
2 特許庁長官は、実用新案登録出願人又は実用新案権者でない者から実用新案技術評価の請求があつたときは、その旨を実用新案登録出願人又は実用新案権者に通知しなければならない。
3 特許庁長官は、実用新案技術評価書の作成がされたときは、その謄本を、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者であるときは請求人に、請求人が実用新案登録出願人又は実用新案権者でないときは請求人及び実用新案登録出願人又は実用新案権者に送達しなければならない。
第四章 実用新案権
第一節 実用新案権
(実用新案権の設定の登録)
2 実用新案登録出願があつたときは、その実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除き、実用新案権の設定の登録をする。
3 前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を実用新案公報に掲載しなければならない。
一 実用新案権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 実用新案登録出願の番号及び年月日
三 考案者の氏名及び住所又は居所
四 願書に添付した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
五 願書に添付した要約書に記載した事項
六 登録番号及び設定の登録の年月日
七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
(明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正)
2 前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 実用新案登録請求の範囲の減縮
二 誤記の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
3 第一項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面(前項第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
4 第一項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
6 第一項の訂正をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号に規定する期間を経過するまでにその訂正をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその訂正をすることができる。
8 第一項及び前項の訂正は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
9 第一項又は第七項の訂正をするには、訂正書を提出しなければならない。
10 第一項の訂正をするときは、訂正書に訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面を添付しなければならない。
11 第一項又は第七項の訂正があつたときは、その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面により実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。
12 第一項又は第七項の訂正があつたときは、第一項の訂正にあつては訂正した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容を、第七項の訂正にあつてはその旨を、実用新案公報に掲載しなければならない。
(訂正に係る補正命令)
第十四条の三 特許庁長官は、訂正書(前条第一項の訂正に係るものに限る。)の提出があつた場合において、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の記載が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を指定して、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をすべきことを命ずることができる。
一 その訂正書に添付した訂正した実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により特定される考案が物品の形状、構造又は組合せに係るものでないとき。
四 その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき。
(実用新案権の効力)
(他人の登録実用新案等との関係)
(実用新案権の移転の特例)
2 前項の規定による請求に基づく実用新案権の移転の登録があつたときは、その実用新案権は、初めから当該登録を受けた者に帰属していたものとみなす。
(専用実施権)
2 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を専有する。
(通常実施権)
2 通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を有する。
(無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)
第二十条 次の各号のいずれかに該当する者であつて、特許法第百二十三条第一項の特許無効審判(以下この項において単に「特許無効審判」という。)の請求の登録前に、特許が同条第一項各号のいずれかに規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における実用新案権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
一 実用新案登録に係る考案と特許に係る発明とが同一である場合において、特許を無効にした場合における原特許権者
二 特許を無効にしてその発明と同一の考案について正当権利者に実用新案登録をした場合における原特許権者
三 前二号に掲げる場合において、特許無効審判の請求の登録の際現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者
2 当該実用新案権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。
(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)
2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
(自己の登録実用新案の実施をするための通常実施権の設定の裁定)
3 第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、実用新案権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
6 特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
(公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)
2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、経済産業大臣の裁定を請求することができる。
(通常実施権の移転等)
(質権)
第二節 権利侵害
(差止請求権)
(侵害とみなす行為)
一 業として、登録実用新案に係る物品の製造にのみ用いる物の生産、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
二 登録実用新案に係る物品の製造に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその考案による課題の解決に不可欠なものにつき、その考案が登録実用新案であること及びその物がその考案の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
三 登録実用新案に係る物品を業としての譲渡、貸渡し又は輸出のために所持する行為
(損害の額の推定等)
第二十九条 実用新案権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の実用新案権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物品を譲渡したときは、その譲渡した物品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、実用新案権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、実用新案権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた額を超えない限度において、実用新案権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を実用新案権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。
2 実用新案権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の実用新案権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、実用新案権者又は専用実施権者が受けた損害の額と推定する。
3 実用新案権者又は専用実施権者は、故意又は過失により自己の実用新案権又は専用実施権を侵害した者に対し、その登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
4 前項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、実用新案権又は専用実施権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。
(実用新案技術評価書の提示)
(実用新案権者等の責任)
第二十九条の三 実用新案権者又は専用実施権者が侵害者等に対しその権利を行使し、又はその警告をした場合において、実用新案登録を無効にすべき旨の審決(第三十七条第一項第六号に掲げる理由によるものを除く。)が確定したときは、その者は、その権利の行使又はその警告により相手方に与えた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、実用新案技術評価書の実用新案技術評価(当該実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案が第三条第一項第三号及び第二項(同号に掲げる考案に係るものに限る。)、第三条の二並びに第七条第一項から第三項まで及び第六項の規定により実用新案登録をすることができない旨の評価を受けたものを除く。)に基づきその権利を行使し、又はその警告をしたとき、その他相当の注意をもつてその権利を行使し、又はその警告をしたときは、この限りでない。
(特許法の準用)
第三十条 特許法第百四条の二から第百六条まで(具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限、書類の提出等、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し、訴訟記録の閲覧等の請求の通知等、当事者尋問等の公開停止及び信用回復の措置)の規定は、実用新案権又は専用実施権の侵害に準用する。この場合において、同法第百四条の四中「次に掲げる決定又は審決が確定した」とあるのは「第一号に掲げる審決が確定した又は第三号に掲げる訂正があつた」と、「当該決定又は審決が確定した」とあるのは「当該審決が確定した又は訂正があつた」と、同条第三号中「訂正をすべき旨の決定又は審決」とあるのは「実用新案法第十四条の二第一項又は第七項の訂正」と読み替えるものとする。
第三節 登録料
(登録料)
第三十一条 実用新案権の設定の登録を受ける者又は実用新案権者は、登録料として、実用新案権の設定の登録の日から第十五条に規定する存続期間の満了の日までの各年について、一件ごとに、次の表の上欄に掲げる区分に従い同表の下欄に掲げる金額を納付しなければならない。
各年の区分
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金額
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第一年から第三年まで
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毎年二千百円に一請求項につき百円を加えた額
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第四年から第六年まで
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毎年六千百円に一請求項につき三百円を加えた額
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第七年から第十年まで
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毎年一万八千百円に一請求項につき九百円を加えた額
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2 前項の規定は、国に属する実用新案権には、適用しない。
4 前項の規定により算定した登録料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5 第一項の登録料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
(登録料の納付期限)
2 前条第一項の規定による第四年以後の各年分の登録料は、前年以前に納付しなければならない。
3 特許庁長官は、登録料を納付すべき者の請求により、三十日以内を限り、第一項に規定する期間を延長することができる。
4 登録料を納付する者がその責めに帰することができない理由により前項の規定により延長された期間内にその登録料を納付することができないときは、第一項及び前項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその登録料を納付することができる。
(登録料の減免又は猶予)
(登録料の追納)
3 前項の割増登録料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
5 実用新案権者が第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に前条の規定により納付が猶予された登録料及び第二項の割増登録料を納付しないときは、その実用新案権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
(登録料の追納による実用新案権の回復)
(回復した実用新案権の効力の制限)
(既納の登録料の返還)
一 過誤納の登録料
二 実用新案登録出願を却下すべき旨の処分が確定した場合の登録料
三 実用新案登録を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の登録料
四 実用新案権の存続期間の満了の日の属する年の翌年以後の各年分の登録料
2 前項の規定による登録料の返還は、同項第一号の登録料については納付した日から一年、同項第二号又は第三号の登録料についてはそれぞれ処分又は審決が確定した日から六月、同項第四号の登録料については実用新案権の設定の登録があつた日から一年を経過した後は、請求することができない。
3 第一項の規定による登録料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
第五章 審判
(実用新案登録無効審判)
第三十七条 実用新案登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その実用新案登録を無効にすることについて実用新案登録無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
三 その実用新案登録が条約に違反してされたとき。
3 実用新案登録無効審判は、実用新案権の消滅後においても、請求することができる。
4 審判長は、実用新案登録無効審判の請求があつたときは、その旨を当該実用新案権についての専用実施権者その他その実用新案登録に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。
(審判請求の方式)
一 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 審判事件の表示
三 請求の趣旨及びその理由
2 前項第三号に掲げる請求の理由は、実用新案登録を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに証拠との関係を記載したものでなければならない。
(審判請求書の補正)
2 審判長は、前条第一項第三号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。
二 前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。
3 前項の補正の許可は、その補正に係る手続補正書が次条第一項の規定による請求書の副本の送達の前に提出されたときは、これをすることができない。
4 第二項の決定又はその不作為に対しては、不服を申し立てることができない。
(答弁書の提出等)
2 審判長は、前条第二項の規定により請求書の補正を許可するときは、その補正に係る手続補正書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。ただし、被請求人に答弁書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、この限りでない。
4 審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。
(審判の請求の取下げ)
2 審判の請求は、前条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
3 審判の請求人が前条第五項の規定による通知を受けたときは、前項の規定にかかわらず、その通知を受けた日から三十日以内に限り、その審判の請求を取り下げることができる。
5 審判の請求人がその責めに帰することができない理由により第三項に規定する期間内にその請求を取り下げることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求を取り下げることができる。
6 二以上の請求項に係る実用新案登録の二以上の請求項について実用新案登録無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。
(訴訟との関係)
2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、審決が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
3 裁判所は、実用新案権又は専用実施権の侵害に関する訴えの提起があつたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。その訴訟手続が完結したときも、また同様とする。
4 特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、その実用新案権についての審判の請求の有無を裁判所に通知するものとする。その審判の請求書の却下の決定、審決又は請求の取下げがあつたときも、また同様とする。
6 特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、裁判所に対し、当該訴訟の訴訟記録のうちその審判において審判官が必要と認める書面の写しの送付を求めることができる。
第六章 再審及び訴訟
(再審の請求)
2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。
(再審により回復した実用新案権の効力の制限)
2 無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
一 当該考案の善意の実施
二 善意に、当該登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為
三 善意に、当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為
(特許法の準用)
(審決等に対する訴え)
(対価の額についての訴え)
第七章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例
(国際出願による実用新案登録出願)
(外国語でされた国際実用新案登録出願の翻訳文)
第四十八条の四 外国語でされた国際実用新案登録出願(以下「外国語実用新案登録出願」という。)の出願人は、条約第二条(xi)の優先日(以下「優先日」という。)から二年六月(以下「国内書面提出期間」という。)以内に、前条第一項に規定する国際出願日(以下「国際出願日」という。)における条約第三条(2)に規定する明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。以下この条において同じ。)及び要約の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。ただし、国内書面提出期間の満了前二月から満了の日までの間に次条第一項に規定する書面を提出した外国語実用新案登録出願(当該書面の提出の日以前に当該翻訳文を提出したものを除く。)にあつては、当該書面の提出の日から二月(以下「翻訳文提出特例期間」という。)以内に、当該翻訳文を提出することができる。
3 国内書面提出期間(第一項ただし書の外国語実用新案登録出願にあつては、翻訳文提出特例期間。以下この条において同じ。)内に第一項に規定する明細書の翻訳文及び前二項に規定する請求の範囲の翻訳文(以下「明細書等翻訳文」という。)の提出がなかつたときは、その国際実用新案登録出願は、取り下げられたものとみなす。
4 前項の規定により取り下げられたものとみなされた国際実用新案登録出願の出願人は、国内書面提出期間内に当該明細書等翻訳文を提出することができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内で国内書面提出期間の経過後一年以内に限り、明細書等翻訳文並びに第一項に規定する図面及び要約の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。
5 前項の規定により提出された翻訳文は、国内書面提出期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。
(書面の提出及び補正命令等)
一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 考案者の氏名及び住所又は居所
三 国際出願番号その他の経済産業省令で定める事項
2 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
一 前項の規定により提出すべき書面を、国内書面提出期間内に提出しないとき。
三 前項の規定による手続が経済産業省令で定める方式に違反しているとき。
四 前条第一項の規定により提出すべき要約の翻訳文を、国内書面提出期間(前条第一項ただし書の外国語実用新案登録出願にあつては、翻訳文提出特例期間)内に提出しないとき。
(国際出願に係る願書、明細書等の効力等)
2 日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書の翻訳文は第五条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲と、日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面並びに外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、日本語実用新案登録出願に係る要約及び外国語実用新案登録出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
(図面の提出)
2 特許庁長官は、国内処理基準時の属する日までに前項の規定による図面の提出がないときは、国際実用新案登録出願の出願人に対し、相当の期間を指定して、図面の提出をすべきことを命ずることができる。
3 特許庁長官は、前項の規定により図面の提出をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその提出をしないときは、当該国際実用新案登録出願を却下することができる。
(補正の特例)
(実用新案登録要件の特例)
第四十八条の九 第三条の二に規定する他の実用新案登録出願又は特許出願が国際実用新案登録出願又は特許法第百八十四条の三第二項の国際特許出願である場合における第三条の二の規定の適用については、同条中「他の実用新案登録出願又は特許出願であつて」とあるのは「他の実用新案登録出願又は特許出願(第四十八条の四第三項又は特許法第百八十四条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願又は同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願を除く。)であつて」と、「発行又は」とあるのは「発行、」と、「若しくは出願公開」とあるのは「若しくは出願公開又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面」とあるのは「第四十八の四条第一項又は同法第百八十四の四条の第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(実用新案登録出願等に基づく優先権主張の特例)
4 第八条第一項の先の出願が国際実用新案登録出願又は特許法第百八十四条の三第二項の国際特許出願である場合における第八条第一項から第三項まで及び第九条第一項の規定の適用については、第八条第一項及び第二項中「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面」とあるのは「第四十八条の四第一項又は特許法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同条第三項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲又は図面」とあるのは「先の出願の第四十八条の四第一項又は特許法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「出願公開」とあるのは「千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条のに規定する国際公開」と、第九条第一項中「その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時」とあるのは「第四十八の四条第六項若しくは特許法第百八十四条の四第六項の国内処理基準時又は第四十八の四条第一項若しくは同法第百八十四の四第一項の国際出願日から経済産業省令で定める期間を経過した時のいずれか遅い時」とする。
(出願の変更の特例)
(登録料の納付期限の特例)
(実用新案技術評価の請求の時期の制限)
(訂正の特例)
(無効理由の特例)
(特許法の準用)
(決定により実用新案登録出願とみなされる国際出願)
2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。
3 特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。
4 前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた実用新案登録出願とみなす。
第八章 雑則
(実用新案原簿への登録)
一 実用新案権の設定、移転、信託による変更、消滅、回復又は処分の制限
二 専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限
三 実用新案権又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限
2 実用新案原簿は、その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。
3 この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。
(実用新案登録証の交付)
2 実用新案登録証の再交付については、経済産業省令で定める。
(二以上の請求項に係る実用新案登録又は実用新案権についての特則)
第五十条の二 二以上の請求項に係る実用新案登録又は実用新案権についての第十二条第二項、第十四条の二第八項、第二十六条において準用する特許法第九十七条第一項若しくは第九十八条第一項第一号、第三十四条第一項第三号、第三十七条第三項、第四十一条において準用する同法第百二十五条、第四十一条において、若しくは第四十五条第一項において準用する同法第百七十四条第三項において、それぞれ準用する同法第百三十二条第一項、第四十四条の、第四十五条第一項において準用する同法第百七十六条の、第四十九条第一項第一号又は第五十三条第二項において準用する同法第百九十三条第二項第五号の規定の適用については、請求項ごとに実用新案登録がされ、又は実用新案権があるものとみなす。
(実用新案登録表示)
(虚偽表示の禁止)
(手数料)
三 実用新案登録証の再交付を請求する者
2 別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
3 前二項の規定は、これらの規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。
4 実用新案権又は実用新案登録を受ける権利が国と国以外の者との共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、国と国以外の者が自己の実用新案権又は実用新案登録を受ける権利について第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料(実用新案技術評価の請求の手数料以外の政令で定める手数料に限る。)は、これらの規定にかかわらず、これらの規定に規定する手数料の金額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。
5 実用新案権又は実用新案登録を受ける権利が国又は第八項の規定若しくは他の法令の規定による実用新案技術評価の請求の手数料の軽減若しくは免除(以下この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、これらの者が自己の実用新案権又は実用新案登録を受ける権利について第二項の規定により納付すべき実用新案技術評価の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する実用新案技術評価の請求の手数料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。
6 前二項の規定により算定した手数料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
7 第一項及び第二項の手数料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
8 特許庁長官は、自己の実用新案登録出願に係る考案又は登録実用新案について実用新案技術評価の請求をする者がその実用新案登録出願に係る考案若しくは登録実用新案の考案者又はその相続人である場合において、貧困により第二項の規定により納付すべき実用新案技術評価の請求の手数料を納付する資力がないと認めるときは、政令で定めるところにより、その手数料を軽減し、又は免除することができる。
(手数料の返還)
3 前項の規定による手数料の返還は、実用新案登録無効審判の請求が取り下げられた日から六月を経過した後は、請求することができない。
6 実用新案登録無効審判の参加人がその責めに帰することができない理由により第四項に規定する期間内にその参加の申請を取り下げることができない場合において、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその申請を取り下げたときは、同項の規定にかかわらず、その参加人が前条第二項の規定により納付した参加の申請の手数料は、その者の請求により返還する。
7 第四項及び前項の規定による手数料の返還は、参加の申請が取り下げられた日から六月を経過した後は、請求することができない。
9 前項の規定による手数料の返還は、実用新案登録無効審判の請求が取り下げられた日から一年を経過した後は、請求することができない。
10 過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。
11 前項の規定による手数料の返還は、納付した日から一年を経過した後は、請求することができない。
12 第二項、第四項若しくは第六項、第八項又は第十項の規定による手数料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により、第三項、第七項、第九項又は前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
(特許法の準用)
第九章 罰則
(偽証等の罪)
2 前項の罪を犯した者が事件の判定の謄本が送達され、又は審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
(秘密を漏らした罪)
(秘密保持命令違反の罪)
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
(両罰規定)
2 前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
(過料)